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musica21 part 2

公開レッスン Uwe heilmann

GWの最後の日、ウーヴェ ハイルマン氏の公開レッスンを見学に出かけました。ウーヴェ氏はドイツ人テノール。歌手として国際的な活躍された後、沖縄県立芸術大学で何年か教えて退職。今はプライヴェートレッスンで全国を回る日々のようです。そのレッスンがとても面白いからと、Y子ねえさんからお誘いを頂き出かけた次第。元来国際的一流プレイヤーであられたので、何と言ってもレッスン中に歌う声が素晴らしい。それがどのようなプロセスで作られたかを知るには、とても一回や二回のレッスンを聴いた位ではわからないでしょう。ただ、アプローチは違ってもパリのイーヴァが教えようと躍起になっていることと、目標は変わらないということの「確認」はできました。

声という楽器は、実に複雑です。しかしだからといって、そんなに幾通りもの奏法があるわけではない。鳴らすための基本となるテクニックは同じなんだと思います。その基本が「日本語を話している人」には大変学びにくいので、日本は何十年たっても、声に関しては「後進国」のままです。でも僅かではあるけれど、その壁を越えた方もいらっしゃるので、私達は「どうせだめだ」とは思わずに勉強を続けることが出来ます。

新しい先生と出会って、新しいアプローチを見つけると、フッと道が開けたような気になります。しかしこれで万事オーケーとはなる程、「声」という楽器は単純ではありません。何故なら新しい声を出す為には、楽器を作り直さなければならないからです。バレリーナは、踊るための体作りに小さい頃から何年もかけて取り組みます。ピアニストも実は「手作り」がとても大切なようです。「声」も同様。だから、新しい先生についたからといって、突然変身するわけではありません。世には、いつか自分を変身させてくれに違いないという幻想を持って、先生巡りをする人達がいますが、先生は魔法使いではないのです。

という事を、私はイーヴァ先生と勉強するようになって、やっと心の底から納得しました。「声の勉強は筋肉を作ることから」。もちろんそれがすべてではありませんが、そこを抜きにしては何も手にすることは出来ないということです。特に「日本語を話している人」は西欧語を話している人に比して、この段階の訓練を何倍もやる必要がある。「でもやるしかないでしょう。」

大変遅まきながら、老体に鞭打って?私もただ今自分を改造中。大変では有りますが、続けられるのは時々自分の体から「今まで聴いたこともないような」声が出て来て、めっちゃ面白いから。

ウーヴェ氏のレッスンを聴いて、たくさんのヒントを貰いました。しかしヒントはヒント。正解に辿りつくには、こつこつこつこつ体、及び体の使い方を変えていかなくてはならないでしょう。その繰り返しが、でも面白いのよね。
by musicaventuno | 2010-05-07 12:27 | claudia